今月中には任地に帰りたい、やまたつです。
この退避期間に【感染宣告】という本を読みました。
石井光太さんという作家は僕が好きなノンフィクション作家のひとりです。
HIV/AIDSの患者さんへのインタビューを通して、この病気と共に生きる人やその周りを描写した本です。
印象に残っている文をいくつか書いてみたいと思います。
・HIV感染者が100人いれば、100通りの人生がある。感染を知ってから、何を失い、どういう道を選択していくかは、人それぞれだ。
・HIV感染症は、ウイルスそのものではなく、ウイルスが人間の醜悪な部分をことごとくあらわにして極限にまで追いつめることに恐ろしさがあるのだ。
・患者は死んだら終わり。けど、遺された者はその後もずっとHIVと関わっていかなければならないのです。
・夫婦が夫婦を演じようとするとき、必ず守らなければならない秘密というものがあります。私たちにとって、HIVの感染源こそがそれなのです。
・HIVとは何か。。改めて尋ねられると、どう答えていいのかわからない。HIVには感染したことで、多くのものを失ったけど、同時に得たものも少なからずあったような気がする。少なくとも、HIVに感染したとわかって見えてきたものはあった。それが何なのかは、僕なりに考えていけばいいことだと思う。良かったか悪かったかはそのときどきの状況次第だと思うんだ。僕としては、それをできるだけ前向きに捉えていくことしかできないんだから。
・現在、HIV感染症は、医療者の間では糖尿病と同じような慢性疾患の一つとしてしかとらえられていない。適切なケアを受けていれば、死に至ることはないし、赤ちゃんを生むこともできるし、感染率もゼロ近くまで抑えられる。にもかかわらず、かかわった人々の人生を大きく揺さぶるのは、HIVが性行為を通してうつるものだからだろう。性行為は人と人を結びつけるのに大切な役割を持つ。人々はウイルスによってその人間関係を試されたり、破壊されたりする事実に震えあがり、過大な恐怖を抱く。「エイズなんだから、抱いて」と乞われても拒絶してしまう。ゆえに感染者も取り乱し、自ら破滅の道を辿ってしまうことがある。
この病気はどうしても偏見を生みやすい、なぜなら、同性愛者の間で増加している背景があるからでしょう。
男性同士の性行為においての感染率が高いのです。
そして、日本では未だにHIV/AIDSを身近に感じていないということも、偏見や差別を生む原因ではないでしょうか?
まずは正しい知識を持ち、しっかりと予防することが大切です。
また、自分のHIVステータスを知ることも重要です。
保健所で匿名にてできますので、まずは検査を。
この病気は失うものが多すぎると、この本を通して思いました。
~今回のレシピ~
失うことは簡単、取り戻すのは難しい
感染宣告↓
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