3/30/2014

HIV/AIDSとの関わり

マラウイに来て1年が経った、やまたつです。


マラウイで避けて通れない問題。

HIV/AIDS

マラウイでのHIV/AIDS感染率は10.6%(2013年)で年々低下しているものの未だに深刻な問題です。

以下ざっとあげてみますと↓

1、そもそも検査を受けていない人がまだたくさんいる。その理由として医療機関へのアクセスが悪いことが挙げられる。

2、HIV/AIDSで死亡する人は20~30代など働き盛りの人が多く、生産者人口の減少が経済に影響する。もちろん子供は孤児となり、十分な教育が受けられなくなる。

3、HIV/AIDSの知識が乏しく、間違った解釈や偏見、治療法などが広がっている。

4、マラウイ文化(←これが一番問題!)

では、一つずつ解説していきますね。

1は言ってしまえば"インフラの未整備"でもあります。

マラウイの人々の大部分は農村で暮らしており、舗装道路とはほぼ無縁の生活をしています。

村にはヘルスセンターといわれる小さな診療所(といっても掘っ立て小屋にすぎない)があるが、医療者や医療器具が不足しているため十分な検査・治療が受けられない。

2はマラウイだけが抱える問題ではないですが。。

今のマラウイは母子感染を予防するシステムがある程度整っているため、かなりの確率で防ぐことができます。

よって両親がHIV/AIDSだからといって子供もそうかということはありません。

両親を失った子供は、その将来をどう過していけばいいのでしょうか?

3についてはとんでもない事件が起きています。

処女とセックスすれば治るという偽治療を信じている人が多くいるため2013年の4月~12月までの9ヶ月で16歳未満の少女が被害者となったレイプ事件は182件起きています。

前年同期と比べて1.5倍です。

当然そんなレイプ犯がコンドームを付けることはなく、少女がその後どうなるかは想像できるでしょう。

呪術師に人を殺したら治ると言われ、殺人を犯す人もいるみたいです。

最後に4はほんとになんとかならないものかと思います。

マラウイに限らず、男は浮ついた心を持っているのは多少理解できますが。。

妻の他に女が何人かいる男性は少なくありません。

お金があれば女が買えるんです。

相場は一晩過してMK3000ほど。

日本円で700円ちょいです。

安っ!!

でもその分リスクはありますが。

そしてコンドームを付ける習慣がないため、HIV/AIDSだけでなくその他性感染症や妊娠ということもあります。

HIV/AIDSの問題は複雑すぎて、どこから手を付けていいかわかりません。

好きな人とセックスする。

子供がほしい。

人として当然の欲求です。

でも考えてみてください。

自分の愛する人がHIV/AIDSだったら。

本当に繊細な配慮を要するこの問題。

僕はそこまでHIV/AIDSに詳しくないため、活動としては予防啓発というより患者の栄養管理を主にやっています。

長い戦いになりそうです。

最後に、【僕たちは世界を変えることができない】という映画でおなじみの葉田甲太さんが作成したHIV/AIDSに関するドキュメンタリーから印象に残った言葉を添えます。

癌もHIV/AIDSも同じ治らない病気なのに、癌の患者はみんなから看取ってもらえて、HIV/AIDSの患者は差別される。

偏見

差別

もし神様がいるのなら、どうしてこんなにも命の長さが違うのだろうか。

みなさん、HIV/AIDSの検査はしましたか?

日本では保健所で匿名、無料で検査できます。

先進国では日本だけ唯一感染者が増えている。

2013年は過去2番目に高い数字だったとか。

自分のステータスは知っておきたいですね。

僕もマラウイに来るまで無関心でしたが、HIV/AIDS陽性患者が普通にいるこの国で無関心にはいられないと思いました。

結果、陰性↓
 


みなさんも検査してみてください。

もちろん強制ではありませんので。

参考↓
【それでも運命にイエスという】予告編
https://www.youtube.com/watch?v=dF0dw5jrjKI

~今回のレシピ~
人を想う前に自分を知る

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3/21/2014

新展開!!

先輩隊員の送別会が終わり、任地に帰ってきました。

送別会では髪の毛をアレンジし、余興もやらせてもらいました。

一応、僕です↓
 
 

今回は上京と同時に体調を崩し終始本調子ではなかった、やまたつです。


さてさて、久々に病院へ行ってみると新展開が待っていました。

僕が赴任してから病院の栄養士は不在でしたが、今週から新しい栄養士がカロンガの病院に配属されたんです。

こいつは良い知らせだと思い、さっそく意見交換。

彼はまだ若く、やる気に満ち溢れているので、なんとか僕の持っているスキルを彼へ移転してあげたいです。

僕の活動テーマは”選択肢を増やすこと”

マラウイという国は食事の種類に限らず、職業なども選択肢が非常に少ないのが現状です。

子供たちは自由に夢を描くことも難しいでしょう。

そう、わくわくすることが少ない国なんです。

僕は栄養士として、食の分野だけでも選択肢を増やしていこうと思うのです。

人々は毎日、ほとんど変わらない食事をしています。

栄養的に偏るのはもちろん、調理法も単一です。

そこで、現地の人と相談して村で取れる食材で、電気がない家庭でも作れる料理レシピ本の作成を開始しました。

まだスタート段階なので出来栄えはまだまだですが、少しでもマラウイのためになればと思います。

保守的なマラウイアンの壁をどこまで崩すことができるか、挑戦です。

そんなこんなで、活動も残り一年。

マラウイのためになるよう、自分の糧にもなるよう日々過ごしていきたいです。


~今回のレシピ~
偶然をチャンスに、チャンスを自分の糧に。


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3/11/2014

”いただきます"という言葉

来月、ちょうど僕の誕生日にJICAオフィスにて中間発表を控えています。

ここ1年間の活動を簡潔に報告するものなのですが、何をどう報告して良いのやら。。

ネタ集めに必死な、やまたつです。


先週末はナミビアからの任国外旅行で、栄養士さんが僕の任地カロンガまで来てくれました。

マラウイに旅行に来るだけで、なかなかいないなーと思っていましたが、カロンガという遠いところまで来てくれるなんて只者じゃない。

ということで、同任地隊員と話し合った結果、ホロホロ鳥を捌いて振舞うことにしました。

日本でも食べられますが、かなり珍しいのでは?

ちなみにホロホロ鳥はコチラです↓
 

 
見た目が美しいんですね。

そして、肉は鶏よりも柔らかくて美味しいんだとか。

1週間前に村で購入し、当日まで僕の家で飼うことに。

よく餌を与えて肥えさせたつもりです。

そして当日、僕は以前に鶏を捌いたことがあったので要領は似た感じです。

まず、命をいただくことに感謝し、その後、首を落とします↓


 
さかさまにしてしばらく血抜き。

次に用意していたお湯につけて、羽を抜きます。

鶏と違ってすこし苦労しました↓


栄養士同士の共同作業です。
 
 
羽をキレイに取り除いたら、次は内臓を処理します。

砂肝やら腸やらありましたが、食中毒を恐れて今回は処分することに。


内臓を取り除いたら中を丁寧に洗って、いよいよ調理開始!

今回は丸ごとオーブン焼きにすることにしました。

おなかに香味野菜を詰めて、180℃のオーブンでじっくり2時間。

週末に頻発する停電もなく、きれいに焼きあがりました↓


さぁ、ビールと一緒に"いただきます"

本当に良い焼き上がりで、肉も柔らかく、美味しくいただくことができました。

今回来てくれたお客さんが同じ栄養士ということもあり、配属先のことや食育についての話で盛り上がりました。

ホロホロ鳥に限らず、ほとんどの肉は日本ではすでにパック詰めにされ、すぐ食べられるようになっています。

生きていたときからパックに詰められるまでの過程を消費者が知ることはあまりありません。

今回みたいに自分の手で捌いてみて、改めて実感します。

"生き物をいただいて、僕らは生かされている"

と。

日本人の習慣"いただきます"は、自分の目の前にあるご馳走にだけではなく、生産者や食卓にあがるまでの過程で携わった人、さらには自然にまで感謝を捧げるという本当に良い言葉だと思います。

マラウイにくると、都市部以外はパック詰めの肉なんてありませんから、自分で捌くかマーケットでバラを買うしかないのです。

マーケットの肉やはほんとにカオスなので、、機会あれば写真と共に紹介しますね。

残り1年の任期で、目標は4足歩行の動物を自分で捌けるようになること。

羊が有力候補です。

"自ら動物を捌く栄養士"

日本で需要あるでしょうか?


~今回のレシピ~
生かされているこの命を大切に


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3/06/2014

青年海外協力隊(JOCV)に参加する?しない?

まだ雨季だというのに、任地カロンガは強い日差しが降り注いでます。
「今年は雨が少なくてヤバイ」とマラウイアン達は本気で心配してます。
マラウイ名物米"キロンベロ"が心配な、やまたつです。
 

今回は"JOCVに参加した方がいいのか"についてメリット、デメリットを交えて書きますね。

まずはメリットから↓
1)2年間、必要最低限の生活費、安全は保証されている。
と、書きましたが僕みたいに地方に派遣されている隊員にとっては多少の余裕はあります。首都近辺の隊員はやはりお金がかかるのか、そこまでの余裕はないみたいです。また、病気になったときの受診料などもJICAの保険が負担してくれます。ただし、これは税金でなりたっているので、病気していいというわけではありません。自分の身は自分で守りましょう。

2)派遣前に約2ヶ月、無料で語学や文化などの教養を受けられる。
これは本当に良い制度だと思います。2ヶ月みっちり語学は体力勝負のところもありますが。。志が同じの同期といろいろ話ができる機会も貴重です。そして、この2ヶ月間もJICAから多少の手当て(給与というかたちではありません)がでます。仕事を辞めて、もしくは休職して参加するわけですから。

3)派遣中の2年間、国内積立金として毎月いくらかお金が入る。
 
一番心配なのが帰国後の生活だと思います。金銭的な面ではJICAから毎月数万円ほどが自分の口座に振り込まれます。2年間で100万円は口座に入ります。なのである程度は困らないでしょう。就職サポートですが、これもJICAが帰国後研修というかたちでフォローしてくれますが、2年間の過酷な生活をしてきて、肉体的にも精神的にも強くなった人は、自分で進路を切り開いていけるでしょう。

4)海外で、しかも地元に密着して生活できる。
一番のメリットはこれかもしれません。旅行で訪れるのとはまた違う感覚ですし、暮らしてみないとわからないことはたくさんあります。その国の良いところも、そうでないところも見ることができますよ。

以上がメリットになります。
もちろん、僕の個人的な意見なので、その他にもいろいろあるとは思いますが。

では、デメリットも↓
1)どこに派遣されるかわからない。
自分がアジアに行きたいと思っても、適正を考えて派遣を決定するのはJICAです。アフリカに飛ばされることも。。もちろん応募時に自分の希望を3つ書くことができますが、必ず通るとは限りません。ちなみに僕は第一希望グァテマラでしたが、第2希望のマラウイで合格をもらいました。たまに希望を出してない国への派遣もあるみたいですが、もしどうしても嫌なら辞退も可能です。

2)要請内容と仕事が異なる。
これはホントに良くある話です。要請書にはいろいろと期待される仕事が書いてありますが、これは1年も前に作成したものなので、状況は変わってるときがほとんどです。日本と同じに考えてはいけません。途上国では組織のトップが代わればやってることも変わるなんてよくある話です。派遣前に配属先がなくなったということも。。

3)親類に何かあってもすぐに駆けつけられない。
 
これはないほうが良いことですが、いつ何が起こるかなんてわかりません。派遣されてる国にもよりますが、急に親類が倒れたという知らせを聞いても、翌日に日本へ一時帰国とはいきません。JICAの手続きをしないといけないので少し遅れることは必至です。アジアの国なら数時間で帰国できますが、アフリカ(マラウイ)は2日かかります。

という感じでしょうか。
何にせよ、決めるのは自分。
頭で考えているだけでは何も動き出しません。
この2年間を不毛に過すのも、財産にするのも自分です。
いざ、派遣されてみると理想は打ち砕かれ、厳しい現実がそこにはありますが、自分の成長のため頑張っています。
もちろん日本で応援してくれている人たちにとても救われています。
 
JOCVとして海外に来て、自分はこんなにもたくさんの人たちに支えられているんだと実感したことも参加するメリットでしょうか。
 
"世界も、自分も、変えるシゴト。"
もうすぐ募集開始です↓
 

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何かに迷ったとき、そのときこそ自分を変えるチャンス
 

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3/02/2014

幸せになる料理とは?

マラウイに来る前に買った手帳は2月で終わり、3月からは新しい手帳と共に過していきます。

気持ちを改め、怠け者な自分を少しでも正していこうと思います、やまたつです。


 
PCやUSBのデータを整理していると、学生時代の懐かしい写真やレポートが出てきました。
 
その中で自分なりに作成していて面白かったレポートを公開します。
 
題は"幸せになる料理"というもの。

いったい何だと思いますか?

結論から言ってしまうと"BBQ"なんです。
 

では、順を追って解説していきますね。
 
まず、注目してほしいのは"肉"です。
 
食肉に多く含まれるアミノ酸(トリプトファン)から合成される生理活性物質"セロトニン"
 
これが脳内で作用し、至福感を味わうことができるのです。
 
うつ病治療にも使われていますよ、セロトニン。
 
もうひとつ、忘れていけないのが食に含まれる脂肪酸のアラキドン酸から生成される"アナンダマイド"
 
セロトニンと同じく、脳に作用して幸せを感じることができます。
 
セロトニンとアナンダマイド
 
この2つの成分が、どうやら脳の至福感に作用しているみたいなのです。
 
それを多く含むのが食肉。
 
そしたら肉料理全般良いじゃないか、なぜBBQなんだ?
 
という疑問が出てくるでしょう。
 
こちらも解説しますね。
 
まず、BBQをやるとき「そうだ!今日はBBQをやろう!!」
 
と、当日に思いつきでやることはほとんどないと思います。(もちろんノリでやるということも少なからずあると思いますが。。)
 
ということは事前に場所や材料、時間や人集めなど、ざっくりと計画する必要があるわけです。
 
例えば、「週末にみんなでBBQやるよ」という予定が入っていたら、その週はなんだか仕事がんばれる気がしませんか?
 
未来の予定に楽しいことが待っていると、人は頑張れます。

そう、"楽しむ準備"を整えてるんですね。
 
そして当日、BBQには友達何人かで肉や野菜を焼いて、美味しく楽しむことができます。
 
大切なのは"何を食べるか"ということよりも"誰と食べるか"
 
BBQは一人じゃやりませんよね?(もちろんこれも例外はありますが。。)
 
BBQには"仲間が必要"になるわけです。
 
以上、まとめますと↓

1、食肉に含まれる"セロトニン"と"アナンダマイド"が脳内で作用し、至福感を味わうことができる。BBQには肉が欠かせない。

2、事前に計画が必要なBBQは何日か前から"楽しむ準備"ができる。

3、BBQは仲間と一緒にするものなので、会話や食事を通して楽しむことができる。

このことから、"幸せになる料理"はBBQとなるわけです。
 
大学時代のゼミで書いたレポートなので、お粗末な点もあると思いますが。。

最後に、自分の身の回りで起こる様々な出来事は楽しいかどうか決まっていないと僕は思います。
 
"楽しむかどうか"は自分で決められるものなんですよね。
 
さぁ、3月も楽しんでいきまっしょい!!

参考資料↓
公益財団法人 日本食肉消費総合センター

~今回のレシピ~
楽しいかどうかは自分に聞いてみる

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