やまたつです。
今回は少しかたい内容になるかと思います。
"生きる力"について。
僕が何度か訪れたことのあるフィリピンと、ここマラウイを比較して考えてみたいと思います。
まず、共通していることを以下にあげます。
1、圧倒的に仕事が足りていない。
2、貧困層と富裕層の格差が激しい。
これらは共通項とできるでしょう。
しかし、同じ貧困でもフィリピンとマラウイでは様子が違うように思います。
【フィリピンの場合】
村で生活していても生活が苦しい、仕事がない。
↓
仕事を求め都市に出てくる。
↓
結局、仕事が見つからないまま村に戻るか、都市に残りスラム街で日々の生活をする。
という貧困の流れがあります。
結果はどうあれ、何かしらの行動を起こすんです。
【マラウイの場合】
村で生活していて生活が苦しくなる(主に雨季の終わり頃)。
↓
仕事を求め都市に出ることはない(というか、金銭的理由で出られない)。
↓
NGOや海外団体からのドネーションが入り、飢えは回避できる。
↓
結果、自らの貧困に対して行動を起こさない。
という違いがあるように思います。
もちろん、僕の主観なので見落としや事実ではないことがあると思いますが。
ドネーション。
援助。
聞こえは良いですが、モノやカネを簡単に与えるのは本当に良い事なのでしょうか?
貧困に苦しんでいる人たちを見て、見ないフリするのは心苦しいと思います。
しかし、人には本来、生きるための力が備わっています。
自然の力には勝てませんが、厳しい環境下でも人は知恵や工夫を凝らして乗り越えてきました。
そうしないと生きていけないから。
誰も助けてはくれないから。
それが一転して、助けてくれる人がいたらどうなるでしょうか?
依存が起こります。
自分で問題を解決する力が失われていきます。
言い換えると、生きる力が失われていくわけです。
フィリピンで出会った盲目の人。
彼は目が見えず、当然、仕事にも就けず、でも生きていくために必死でした。
歌を歌っているのです。
目が見えない、でも声は出る。
そうやって彼は何らかの"価値"を作り出すことによって、お金を得ているのです。
僕も彼の歌声に価値を感じ、お金を渡しました。
マラウイでは見ない光景です。
マラウイでは「お金=もらう物」という考えが普通にあります。
親が子供に「外国人にあったらGive me moneyといいなさい」と教えることもあるそうです。
お金って何なのでしょうか?
生きるために必要なもの、もちろん貨幣社会では切っても切れないものです。
お金は何かの対価、感謝の気持ちが形になったものに近いのではないでしょうか?
つまり、何か価値あるものを提供してお金をいただく。
そういうものです。
必死に小さなビジネスをやっているマラウイアンもいますが、そうでない人も目立ちます。
援助というものは必要です。
緊急援助などは典型的でしょう。
フィリピンの台風では大きな被害が出ました。
このような場合の援助は絶対必要です。
ですが、マラウイの場合は?
飢えてるから食料を与える。
では、なぜ飢えるのか?
1、食料の絶対数が少ない。
2、貯蔵の方法に問題がある。
大きく分けてこの2つでしょうか。
飢えという問題を解決するためにはこの2つに対するアプローチが必要なのであって、食料を配ることは根本原因の解決ではない気がします。
"魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える"
まさにこの言葉の通りです。
こうやって援助に慣れきったマラウイアン達は、「Problemだ!」と言いながら特に行動を起こさない、Problemは援助が解決してくれると待っています。
生きる力はどこへ?
この葛藤はまだまだ深まりそうです。
~今回のレシピ~
生きる力を奪わない援助を
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やまちゃん、フィリピンも、色々だよ。もちろん、仕事がなくてマニラとか都市部に向かう人もいるけど、それが出来ない人やしない人もたくさん。。。。そして、やっぱり、マラウィと似たように「ドネーションに頼る」。そう、外国に助けてもらって当たり前。(災害がなくてもね)
返信削除私が任地に来たばかりの頃は、本当によく「no more donation?」と聞かれ、そのたびに、自分はdonationのためにきたわけではないこと・それは出来ない事を説明したよ。
なんというか、”助けられ慣れている”んだよね。マラウィほどではないのかどうなのか、マラウィを見ていないから何ともいえないけどね。
たぶん、途上国全体的に「助けてもらって当然」的な部分がある気がする。
台風の時も、「〇〇国は、もっといっぱいDonationくれた」とか言っているもの。
手の差し伸べ方って本当に難しい。
まずは、”無償資金協力”やめた方がいいんじゃないかと個人的に思ってます。
かな、コメントありがとう!
削除国際協力が難しいのはそこだよね。援助のカタチ。人間は一度楽すると依存してくから。"ボランティアで人は救えない"これを残り1年の任期で証明していきたいと考えているよ。もちろん災害時の緊急援助は別ね。こっちは人を救うから。
お互いがんばろー!