熱帯夜の連続で寝苦しい日が続いています。
最近は氷を抱いて寝ている、やまたつです。
さて、以前から準備していた"治療食プロジェクト"を来月から本格始動します。
ほんとは今月からのはずが、JICAからの現地業務費の申請がなかなか下りなかったり、僕が任地を離れていたりしていたので遅れてしまいました。
が、無事に現地業務費の申請も通り、キッチン器具を買い揃え、今月はトレーニング期間です。
ちなみに、現地業務費とは、JICAの支援のひとつで、自分の活動範囲でどうしても費用が必要な場合、見積書や申請書、正当な理由と推測される効果などなどを書いてJICAからもらう資金のことです。
JICAもなかなかシビアなので、簡単に申請が通るワケではありませんが、なんとか許可を得ることができました。
これらが今回買ったキッチン器具↓
ホットプレート、鍋×3、レードル×3、ナイフセットです。
日本円で約1万円くらいの買い物ですが、マラウイではかなり高価な品です。
そして、みんなが同じものを作れるように、クッキングデモンストレーションを開催↓
スタッフ数名にあらかじめ作り方を説明しておいたので、当日はスタッフ同士が学びあう場となりました。
僕はほぼノータッチです。
クッキングデモンストレーションが終わると、今度は病棟へ行き、治療食の説明を各病棟にしました。
これもキッチンのスタッフからナースに説明するという形なので、僕はノータッチ。
病棟の掲示板に治療食のメニュー表を張っているところ↓
もちろん事前にキッチンスタッフには僕から詳しく説明してあります。
僕の活動はほぼ裏方です。
よっぽどのことがない限り、表舞台には立ちません。
もちろん、自分の性格上、表舞台の方が好きですが、ここで表舞台に立ちすぎると僕が帰国した後に継続されません。
あくまでボランティア。
彼らのやりたいことは全力でサポートしますし、新しい提案もします。
しかし、強制はしません。
結局、僕は外国人なので、マラウイにはマラウイの文化や事情を越えられません。
2年でできることは本当に限られています。
実際、この治療食もあるキッチンスタッフからやりたいと意見があったので、サポートしていますが、全スタッフの足並みが揃っているかどうかは、現時点ではわかりません。
治療食は、当たり前ですが手間がかかります。
でも彼らの給料が増えるわけではありません。
全員の足並みを揃えないとこのプロジェクトは続かないでしょう。
もちろん病棟も含めて。
今後はコレが大きな課題になりそうです。
まずは"継続"を目標にして、頑張っていきたいと思います。
~今回のレシピ~
居心地の良いところでは自分を変えることができない。変化を求めるなら自分を居心地の悪いところへ。
JICA海外協力隊(JOCV)で栄養士として2年間マラウイで活動後、2015年3月に帰国。現在は"人生を味わう"をテーマに大都会札幌の田舎で暮らしています。食をはじめ、多様な文化や自然とともに味わい深い人生という答えのないものを探しています。
10/26/2013
10/15/2013
タイムスリップ
10月の暑さが本格化してきています。
日差しに優しさがなくなり、ジリジリくるようになりました。
熱中症対策に本腰を入れ始めた、やまたつです。
JOCVマラウイ隊の中では"マラウイは50年前の日本みたい"という言葉が行き交います。
その根拠としては以下の通り。
1、男性主義の社会構造
2、TVへの憧れ(DVDショップとかで子供や大人がこぞって見てる)
3、一般家庭に3種の神器(TV、冷蔵庫、洗濯機)がない
などなど、もしかしたら50年前の日本より状況は昔かもしれません。
が、僕の任地カロンガにはもっと古いものも存在します。
カロンガに限らず、湖沿いの街にはあると思いますが、コレ↓
何に見えます?
丸太をくり抜いて作った船。
こいつで漁に出るわけです。
手漕ぎです。
僕の記憶が正しければ、コレは歴史の教科書で縄文時代のときに使われてたものではないでしょうか。
マラウイでの漁は、基本コレです。
モーターボートなんてあるとは思いますが、見たことがありません。
よく浸水しているようですが、何とかなっているのでしょう。
JICAがNGを出しているので、僕らは泳ぐことができませんが、できることなら一度漁に同行したいものです。
古き良き時代のものがこの国にはまだたくさんあります。
また紹介しますね。
最近は空気が澄んでいて、湖の向こう側にタンザニアが見えます。
毎朝、湖を眺めながらのヨガを始めてみました。
すっきり満点のスタートは格別に気持ちがいいです。
病もすっかり完治したので、また活動がんばっていきますよ。
~今回のレシピ~
隣の芝は青く見えるが、忘れてはいけない、自分の芝はこれからもっと青くできる。
日差しに優しさがなくなり、ジリジリくるようになりました。
熱中症対策に本腰を入れ始めた、やまたつです。
JOCVマラウイ隊の中では"マラウイは50年前の日本みたい"という言葉が行き交います。
その根拠としては以下の通り。
1、男性主義の社会構造
2、TVへの憧れ(DVDショップとかで子供や大人がこぞって見てる)
3、一般家庭に3種の神器(TV、冷蔵庫、洗濯機)がない
などなど、もしかしたら50年前の日本より状況は昔かもしれません。
が、僕の任地カロンガにはもっと古いものも存在します。
カロンガに限らず、湖沿いの街にはあると思いますが、コレ↓
何に見えます?
丸太をくり抜いて作った船。
こいつで漁に出るわけです。
手漕ぎです。
僕の記憶が正しければ、コレは歴史の教科書で縄文時代のときに使われてたものではないでしょうか。
マラウイでの漁は、基本コレです。
モーターボートなんてあるとは思いますが、見たことがありません。
よく浸水しているようですが、何とかなっているのでしょう。
JICAがNGを出しているので、僕らは泳ぐことができませんが、できることなら一度漁に同行したいものです。
古き良き時代のものがこの国にはまだたくさんあります。
また紹介しますね。
最近は空気が澄んでいて、湖の向こう側にタンザニアが見えます。
毎朝、湖を眺めながらのヨガを始めてみました。
すっきり満点のスタートは格別に気持ちがいいです。
病もすっかり完治したので、また活動がんばっていきますよ。
~今回のレシピ~
隣の芝は青く見えるが、忘れてはいけない、自分の芝はこれからもっと青くできる。
10/08/2013
2度目の病
えー、病気のやまたつです。
赴任してから2度目の高熱。
1度目は一晩寝てれば治りましたが、今回はそうもいきません。
夜に熱が39度をウロウロ。
週末はずっと寝てましたが、なかなか良くならず困っていました。
症状は高熱、頭痛のみ。
下痢や吐き気はありません。
マラリアの予防薬は毎週欠かさず飲んでいるので、確信はありましたが、マラリア陰性。
同じ病院配属の看護師さんに診てもらい、薬をもらい、ほんと日本の看護が恋しくなりました。
そして、昨日、まさか訪れることはないだろうと思っていた自分の配属先病院へ。
もちろん患者として。
実際に患者として病院に来てみて、いろいろ収穫もありました。
まず衛生面。
本当に汚い、もしくはそこそこキレイのどちらかです。
診察台に横になっていいよ、と言われましたが横になりたくない汚さ。
これ、病人に良くないでしょ。。
各病棟への5S普及活動をもっとしなくては、と思い知りました。
あと、クリニシャン(医師免許はないが、医療系の学校を出ているためこの国では治療できる)が適当すぎる。
診断の要領も悪いし、検査室との連絡も疎か。
そして、すぐ戻ると言ってどこかへ行ったきり帰ってこないと思ったら、外でおしゃべりしてるし。
こりゃ患者も大変だよ。
ただでさえ病気で心も身体も弱ってるのに、不衛生なところで待たされたり、いろんな部署たらいまわしにされたり。
入院患者は特に。
いつも決まった食事、しかも栄養があるとも思えないもの。
看護師、クリニシャンの適当なアセスメントや治療。
僕の活動は、まだまだやらなきゃいけないことでいっぱいです。
そして、一番の問題は"病院にアクセスできない人の治療"だと思います。
患者の中には何時間も歩いてきて県病院まで来る人もいますが、ほとんどの人は交通費がなかったり、距離が遠すぎて県病院にアクセスできません。
地域のヘルスセンターでは、せいぜい結核かマラリアの治療くらいしかできないのが現状です。
自宅療養以外に選択肢がないのです。
早急にすべての人が安全な医療を受けられるようにすることが求められますが、とっても難しい、課題だらけです。
何年かかるのやら。
病院関係者が予算を自分のポケットに入れてるようじゃ、まだまだ先になりそうです。
とにかく、僕は完全復帰を目指して自宅療養してます。
周りの人の親切がとっても身にしみます。
ウォッチマン(自宅の警備員)が茹でたサツマイモを持ってきてくれたり、隣人のアメリカ人が食事作ってくれたり。
もちろん、後輩隊員の看護師さんには感謝感謝です。
僕のカウンターパートは病院で僕と会っての第一声が「血糖値の検査キット持ってたよね?今あるか?」だったのが少し悲しかったけど。。
自分の身内が糖尿病で入院してるから容態気になるのはわかるけど、その前に目の前のパートナーの心配は?
まぁそんなもんですかね。
というか、何で病棟で血糖値の検査キットを切らすのか理解できず。
ドネーションで成り立っているマラウイの医療事情ではよくあることみたいです。
そして、これが診断書&検査結果と薬↓
まぁ、結局何が原因かわからず終わりましたが、たぶん何かの感染症の急性期でしょう。
僕は相変わらず元気です。
~今回のレシピ~
相手を知りたいなら、相手の立場になってみる。なれなくても、なってみる。
赴任してから2度目の高熱。
1度目は一晩寝てれば治りましたが、今回はそうもいきません。
夜に熱が39度をウロウロ。
週末はずっと寝てましたが、なかなか良くならず困っていました。
症状は高熱、頭痛のみ。
下痢や吐き気はありません。
マラリアの予防薬は毎週欠かさず飲んでいるので、確信はありましたが、マラリア陰性。
同じ病院配属の看護師さんに診てもらい、薬をもらい、ほんと日本の看護が恋しくなりました。
そして、昨日、まさか訪れることはないだろうと思っていた自分の配属先病院へ。
もちろん患者として。
実際に患者として病院に来てみて、いろいろ収穫もありました。
まず衛生面。
本当に汚い、もしくはそこそこキレイのどちらかです。
診察台に横になっていいよ、と言われましたが横になりたくない汚さ。
これ、病人に良くないでしょ。。
各病棟への5S普及活動をもっとしなくては、と思い知りました。
あと、クリニシャン(医師免許はないが、医療系の学校を出ているためこの国では治療できる)が適当すぎる。
診断の要領も悪いし、検査室との連絡も疎か。
そして、すぐ戻ると言ってどこかへ行ったきり帰ってこないと思ったら、外でおしゃべりしてるし。
こりゃ患者も大変だよ。
ただでさえ病気で心も身体も弱ってるのに、不衛生なところで待たされたり、いろんな部署たらいまわしにされたり。
入院患者は特に。
いつも決まった食事、しかも栄養があるとも思えないもの。
看護師、クリニシャンの適当なアセスメントや治療。
僕の活動は、まだまだやらなきゃいけないことでいっぱいです。
そして、一番の問題は"病院にアクセスできない人の治療"だと思います。
患者の中には何時間も歩いてきて県病院まで来る人もいますが、ほとんどの人は交通費がなかったり、距離が遠すぎて県病院にアクセスできません。
地域のヘルスセンターでは、せいぜい結核かマラリアの治療くらいしかできないのが現状です。
自宅療養以外に選択肢がないのです。
早急にすべての人が安全な医療を受けられるようにすることが求められますが、とっても難しい、課題だらけです。
何年かかるのやら。
病院関係者が予算を自分のポケットに入れてるようじゃ、まだまだ先になりそうです。
とにかく、僕は完全復帰を目指して自宅療養してます。
周りの人の親切がとっても身にしみます。
ウォッチマン(自宅の警備員)が茹でたサツマイモを持ってきてくれたり、隣人のアメリカ人が食事作ってくれたり。
もちろん、後輩隊員の看護師さんには感謝感謝です。
僕のカウンターパートは病院で僕と会っての第一声が「血糖値の検査キット持ってたよね?今あるか?」だったのが少し悲しかったけど。。
自分の身内が糖尿病で入院してるから容態気になるのはわかるけど、その前に目の前のパートナーの心配は?
まぁそんなもんですかね。
というか、何で病棟で血糖値の検査キットを切らすのか理解できず。
ドネーションで成り立っているマラウイの医療事情ではよくあることみたいです。
そして、これが診断書&検査結果と薬↓
まぁ、結局何が原因かわからず終わりましたが、たぶん何かの感染症の急性期でしょう。
僕は相変わらず元気です。
~今回のレシピ~
相手を知りたいなら、相手の立場になってみる。なれなくても、なってみる。
10/05/2013
ホスピタリティの欠片
10月に入り、季節の変わり目を感じるようになりました。
週末のビールが一際美味しく感じています、やまたつです。
今週は女性病棟にHIV陽性の患者が入院していました。
彼女はかなり痩せて弱っており、お粥状のものしか食べることができません。
しかも少量。
自分で起き上がることもできず、もう先が長くないことは僕でもわかりました。
現在、僕の所属するキッチンでは治療食を試みています。
その中に"ソフト食"があるので、彼女のために毎食提供していました。
マッシュポテトやお粥など提供できるものは限られてますが、継続が大切なのでスタッフには僕が
言い聞かせていました。
しかし、昨日、あるスタッフが僕が何も言わなくても牛肉と野菜入りのお粥を作って言いました。
「このお粥は栄養あるよね?彼女には栄養が必要だ」、と。
そうやって患者に気を配れることは、この国ではとっても素晴らしいことなのです。
マラウイでは患者の世話は家族がやります。
点滴が空になっても刺さったまま、時間にならないと看護師は患者の様子を見にきません。
ナースステーションでおしゃべりに夢中。
正直、病棟ではホスピタリティなんて微塵も感じません。
彼女は点滴が入っている右手が異常に腫れていました。
たぶん点滴がうまく血管に入っておらず、皮下に漏れているんだろうけど、看護師は何もしません。
家族がどうにかできるわけがありません。
その日彼女はお粥を少し口にするので限界でした。
そして、今朝、息を引き取りました。
家族からは本当にいろいろしてくれてありがとうと言われました。
この経験がキッチンスタッフにどう響いたかわかりませんが、少しずつ思いやりをもって仕事してくれることを信じています。
人のことを想い、人の為に働く。
もちろんお金、給料も大切ですが、マラウイの人々がいつの日か、このことに気付いてくれますように。
今後も言葉より態度、経験で示していきたいと思います。
~今回のレシピ~
人を想うこと、それは自分の存在を示すこと
週末のビールが一際美味しく感じています、やまたつです。
今週は女性病棟にHIV陽性の患者が入院していました。
彼女はかなり痩せて弱っており、お粥状のものしか食べることができません。
しかも少量。
自分で起き上がることもできず、もう先が長くないことは僕でもわかりました。
現在、僕の所属するキッチンでは治療食を試みています。
その中に"ソフト食"があるので、彼女のために毎食提供していました。
マッシュポテトやお粥など提供できるものは限られてますが、継続が大切なのでスタッフには僕が
言い聞かせていました。
しかし、昨日、あるスタッフが僕が何も言わなくても牛肉と野菜入りのお粥を作って言いました。
「このお粥は栄養あるよね?彼女には栄養が必要だ」、と。
そうやって患者に気を配れることは、この国ではとっても素晴らしいことなのです。
マラウイでは患者の世話は家族がやります。
点滴が空になっても刺さったまま、時間にならないと看護師は患者の様子を見にきません。
ナースステーションでおしゃべりに夢中。
正直、病棟ではホスピタリティなんて微塵も感じません。
彼女は点滴が入っている右手が異常に腫れていました。
たぶん点滴がうまく血管に入っておらず、皮下に漏れているんだろうけど、看護師は何もしません。
家族がどうにかできるわけがありません。
その日彼女はお粥を少し口にするので限界でした。
そして、今朝、息を引き取りました。
家族からは本当にいろいろしてくれてありがとうと言われました。
この経験がキッチンスタッフにどう響いたかわかりませんが、少しずつ思いやりをもって仕事してくれることを信じています。
人のことを想い、人の為に働く。
もちろんお金、給料も大切ですが、マラウイの人々がいつの日か、このことに気付いてくれますように。
今後も言葉より態度、経験で示していきたいと思います。
~今回のレシピ~
人を想うこと、それは自分の存在を示すこと
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